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がん細胞はブドウ糖が大好き?

がん細胞はブドウ糖が大好き?

がん細胞はブドウ糖が大好きだから、カロリー制限をした方がいいのですか?
このようなご質問を頂くことがあります。

最初にお答えしますと、がん細胞がブドウ糖を好むことは間違いありません。
しかしながら、制限したほうが良いかどうかは、わかりません

もちろん、カロリーを余分に摂取することは病気の有無にかかわらずオススメできません。
肥満は決して健康に良いとは言えません。
その様な意味では制限したほうが良いといえますが、質問される方のイメージは「がん治療として」「通常よりももっと踏み込んで」という意味合いが強いと考えます。

カロリー制限という表現ではなく「糖質制限」「糖質制限食」を行ったほうが良いかどうかは分かりません。
という表現のほうが良いかも知れません。

細胞がエネルギーを作るための基本燃料は3種類

人間が食事をして、その食事を体内で上手に作り変えて生きているように、細胞のひとつひとつも様々な栄養素を取り込んで活動しています。
取り込んだ栄養を上手に使うために、細胞にはエネルギー生産機能が備わっています。
がん細胞も例外ではありません。

細胞がエネルギーを生産するための燃料には幾つかあります。
人間や多くの動物においては、「糖質」「タンパク質」「脂質」と呼ばれる三大栄養素がその燃料にあたります。
正確には、糖質から作り出される「ブドウ糖(グルコース)」、タンパク質や脂質から作り出される「ケトン体」、脂質から作り出される「脂肪酸」の三種類です。

殆どの細胞は、最悪どの栄養素も使えるのですけれど、幾つか例外があります。

赤血球:ブドウ糖しか使えません。ブドウ糖以外を使うにはミトコンドリアと呼ばれる部品が必要になるのですが、赤血球にはそれがありません。

脳細胞:脂肪酸は使えません。細胞にミトコンドリアはありますが、血液脳関門と呼ばれる場所でブロックされます。
使おうと思えば使う能力はあるけれども、決して供給されないないので、結果的に使えないといえます。

肝細胞:ミトコンドリアはありますが、肝臓はケトン体を利用するための酵素を持っていないので、ケトン体は使えません。

他にも例外がいくつかありますが、今回の話ではここまでにしておきます。

細胞によるエネルギーの作り方は2種類

燃料の供給を受けた細胞は、活動するためのエネルギーを作り出さなければなりませんが、2種類の方法を使うことが出来ます。

ひとつは、ミトコンドリアと酸素を使った方法、もう一つはミトコンドリアも酸素も使わない方法です。
わかりやすい言い方をすれば、完全燃焼不完全燃焼です。
酸素を使って完全燃焼を行うと、沢山のエネルギーが出来ます。逆に酸素を使わないとちょっぴりしか出来ません。
その差は18倍にもなります。

がん細胞の多くは常に不完全燃焼をする

がん細胞を含む多くの細胞にはミトコンドリアがありますので、どんな燃料でも使えるはずなのですが、多くのがん細胞はミトコンドリアを使いません。
酸素があっても無くても、不完全燃焼を行うのです。
また、がん細胞やその周辺が低酸素状態になってしまうことで、不完全燃焼しか出来ないという状況もあります。

細胞には酸素を使わないエネルギー作りをする場合は、ブドウ糖しか使えないと言う制限があります。
これが、がん細胞はブドウ糖が大好きだと言われる理由です。

ブドウ糖を断ってしまえばいいのか?

では、ブドウ糖を完全に断てばがんが治るのか?と言うことになります。
ブドウ糖が少ないのでがん細胞の活動が抑えられるというのはわかります。
しかし、赤血球がブドウ糖しか使えないので、どんなに糖質を断っても肝臓*はブドウ糖を作り出します。
(*腎臓も作りだす事が出来ますが、余程のことが無い限り腎臓の出番はありません。)

この作り出したブドウ糖が、赤血球以外には使われないのか?ということが正直なところ疑問です。
普通に考えるならば、必要に応じて使われるだろうと思われます。
その「必要」が、健康維持なのかがん細胞の増殖なのかはわかりません。

細胞の活動の根幹に関わる話なので、本当に効果的なのであれば、肺がんだろうが乳がんだろうが、病気の種類を問うはずもありません。
少しくらい話が聞こえてきても良さそうなのですが、そんな話は殆ど聞きません。

大阪大学や一部の研究機関では肺がんの臨床研究として糖質制限を行っています。
やってないわけではないのですけれども、広がりが非常に少ないのです。

次に、完全にブドウ糖を断つことにデメリットは無いのか?と言うことです。
循環器にデメリットが出るのではないかと言う論文がありますし、問題はないと言う論文もあります。

一部では、太古の昔は穀物なんてしょっちゅう食べられるものではなかったので、糖質なんて無くても問題ないのだと少々乱暴な事をいう人もいます。

しかし、糖質カットする・しない、どちらの立場に立ったとしても昔と今を単純に比べるのには正直無理があります。

昔は、肉中心とか言われても、今みたいに好きな時に好きなだけタンパク質や脂質を摂れる状況では無かったでしょう。

がんに限らず、病気には老化と言う側面があります。平均寿命が短いわけですから、がんやその他の病気になる前に死んでしまいますので、今と比べる訳にはいきません。

また昔に戻れと言うのなら、運動量なども元に戻して考えるべきでしょう。
糖質制限食は糖尿病食や、場合によっては、気軽なダイエット手段のような位置づけにもなっています。
食事と活動のバランスを崩していないのに糖尿病になられる方は少数です。
肥満やメタボも大抵は運動不足が原因です。

並べて比べられるようなものでは無いことは分かるでしょう。

このようなことから、冒頭のような結論
「がん細胞がブドウ糖を好むことは間違いないけれど、ブドウ糖を断ったほうが良いかどうかはわからない」
ということになります。


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