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渋いお茶ほどがんに良い?(緑茶カテキンと膵臓がん)

2017年5月、九州大学大学院農学研究院の立花宏文主幹教らは、膵臓がんの幹細胞治療に有効な化合物を発見したことを発表しました。(*1)

この有効成分というのが、お茶に含まれるカテキン、その中でもEGCGと呼ばれる物質です。
カテキンというのは、お茶の渋みの成分です。
コンビニエンスストアでも手軽に手に入れることのできる緑茶カテキンは、多くの人に健康に役立つ成分として認識されるようになってきました。
EGCGは、緑茶カテキンのおよそ50%を占める物質ですから、非常に身近な成分だということが出来るでしょう。

緑茶カテキンと膵臓がん

緑茶カテキンの研究をしておられる研究者は数多くお出でになりますが、中でも立花宏文主幹教授は、最も注目されている研究者の1人ではないでしょうか。

先生の最も大きな研究成果のひとつは、67-kDa ラミニンレセプター (67LR)を発見されたことでしょう。(*2)
緑茶カテキンが、どのようにして体内で働きをあらわすのか、67LRがこの鍵を握っているのです。
この67LRは、がん細胞の表面に特徴的に表れる受容体のひとつで、腫瘍細胞の浸潤や転移に関わっていると考えられています。

この発見から9年後の2013年にはEGCGとPDE5阻害剤を同時に投与することで、前立腺がん細胞に対してアポトーシスを誘導することが出来たと言う発表を行いました。

今回の、膵臓がんに対する研究も、この延長線上にあります。
前立腺がんの研究ではPDE5阻害剤と呼ばれる薬剤との併用でしたが、今回はPDE3阻害剤と呼ばれる薬剤との併用です。
PDE3阻害剤は、心筋の収縮力を増強させて心不全を治療する薬です。

EGCGが腫瘍細胞表面にある67LRというレセプターに結合すると67RLが活性化し、cGMPと呼ばれる物質を作り出します。
PDE3という物質はcGMPを分解する働きを持っているのですが、これをPDE3阻害剤で邪魔することで、腫瘍細胞に対してcGMPの影響を高めてやり、腫瘍細胞に対してアポトーシス(細胞が自らの機能によって死ぬこと)を誘導するのです。

今回の発表では、特にNo.19と呼ばれるEGCGが効果を表すことがわかっており、No.19を始め、67LRを活性化させる物質を使うことで膵臓がんに対する新たな治療法となりうるのではないかと期待を集めています。

注記

(*1)PDE3 inhibitor and EGCG combination treatment suppress cancer stem cell properties in pancreatic ductal adenocarcinoma
Motofumi Kumazoe, Mika Takai, Shun Hiroi, Chieri Takeuchi, Maasa Yamanouchi, Takashi Nojiri, Hiroaki Onda, Jaehoon Bae, Yuhui Huang, Kanako Takamatsu, Shuya Yamashita, Shuhei Yamada, Kenji Kangawa, Takashi Takahashi, Hiroshi Tanaka & Hirofumi Tachibana
https://www.nature.com/articles/s41598-017-02162-9

(*2)A receptor for green tea polyphenol EGCG.
立花 宏文, Koga K, Fujimura Y, Yamada K.
Nat Struct Mol Biol. 2004 Apr;11(4):380-1. Epub 2004 Mar 14.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15024383


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