がんの患者会や体験談

病気になると、どんな方でも不安が襲ってきます。逆に、負けてはいけないと気負いすぎてしまうこともあります。
病気になる前だったら全く気にならなかった、ちょっとした体調の変化に敏感に反応してしまうこともあります。

これら不安の一番の原因は、まったく初めての体験でどのような事が起こるのかわからない、いわゆる「知らないことに対する不安」が最も大きなものだと思います。

もちろん、治らないのではないかと言う不安が先立つことは間違いないのですが、さまざまな治療法を知ったり、自分が行っている治療がどの様に繋がっていくのかというイメージがつかめれば、目の前にある治療に対する心も変わって来ることでしょう。

皆さんが思う以上に「知らないこと」というのは、大きな位置を占めているのです。

この様な場合に最も効果的な対処法は、「知ること」です。出来れば同じ体験をした人から、等身大の話を聞くことが最も効果的だと思います。

とは言え、周囲に同じ病気の方や体験者がいることは中々ありません。その様なときに役立つのが、患者会や体験談といったものです。

有志が個人で立ち上げた肺がんの患者会

下記のページは、肺がんの患者会としては日本で最も古いもののひとつである「ワンステップ」という患者会です。
肺がん患者の方が立ち上げた患者会で、さまざまなイベントも行っています。

http://www.lung-onestep.jp/hajimete.html

公共団体が運営する体験談のページ

体験談の場合は、出来るだけ偏りのないものを探すことが重要でしょう。
インターネットの掲示板などは、誰でも匿名で書くことが出来るものです。とうぜん信頼性は高くありません。
患者の振りをして、何か物やサービスを売りつけようとする人たちも多数います。

このような中、良い体験談が患者さんやそのご家族の力になるということで、幾つものとりくみがなされています。
たとえば、宮城県や千葉県が運営する体験談のページがあります。
下記は、宮城県が運営する「がん情報みやぎ」と言うページです。

http://cancer-miyagi.jp/voice/

下記は、千葉県が運営する「ちばがんなび」と言うページです。

http://wwwp.pref.chiba.lg.jp/pbgnv/family/fellow/fellow05/

大学から始まった試み

また、がんや認知症を患った方やそのご家族の方による体験談やインタビュー、動画、音声といったものをまとめたページがあります。
ディペックス・ジャパンというのですが、元々はオックスフォード大学で始まった試みで、音声や動画を中心にした体験談を共有することで、患者さんの治療の質や生活の質を向上させることを目的としたページです。

http://www.dipex-j.org/prostate-cancer/

異なる病気であっても、参考になることはあるかも知れません。

企業が運営するサイト

最後は、オンコロというサイトです。このページの運営母体は、治験のコーディネイトをやっている会社ですが、かなり良い情報が集まっているページです。
最初にご紹介したワンステップと言う患者会を立ち上げた方のインタビュー記事が載っていましたのでご紹介いたします。

肺がん体験者 長谷川一男さん

オンコロでは、これ以外にも様々ながん患者の方々のインタビューが掲載されています。
例えば、乳がんと診断された方が、治療をズルズルと引き伸ばして、いよいよになって治療を始められたと言う話などは、心情や経緯などリアルに感じることができました。
もしも、がんが疑われる様な状況で、躊躇いがあるという方であれば読む価値は十分あると思います。

ご紹介したこれらのサイトを見ることが、少しでも手助けとなれば幸いです。