肝臓がんとその治療

肝臓は人間のからだの中で最も大きな臓器です。また、最も重要な臓器のひとつでもあります。
あるときはからだに不要なものや毒物を分解し、あるときは必要な栄養素を保存し、使いやすく形を変えたりしてくれる生きるのに欠かせない役割を担っています。

肝臓がんの特徴

肝臓がんは、原因がほぼ特定されている数少ないがんのひとつです。

[肝炎ウィルス感染] → [慢性肝炎発症] → [肝硬変] → [肝臓がん]

ほとんどの肝臓がんは、この様な流れで発生します。
もう一つの特徴は、他のがんと異なり、5年経ったら完治と言う様な期間的な目安が無い病気だということです。
肝臓がんに限ったことではありませんが、肝臓がんは特に、治療後もより健康的な生活を送って肝臓やからだを大事にしていかなければなりません。

肝臓がんの治療

肝臓がんも多くのがんと同じく、三大療法が使われますが、他にはない治療がいくつかあるのが特徴でもあります。

手術

肝臓は、切除後数ヶ月で元の大きさに戻る珍しい臓器です。このため、手術は大きな選択肢となります。
ただし、肝硬変が進んでいるなど、病気の進行度によっては選ぶことが出来ません。

・開腹手術:
開腹して肝臓を切除する方法で、最も負担が大きな方法です。

・腹腔鏡術:
お腹に小さな穴をいくつも開けて、棒状の器具を差し込んで手術をします。
負担は小さいものの、技術が必要なため上手に出来る先生は少なくなります。

良い点:
病巣を完全に取り去れるだけでなく、他の臓器と異なり数ヶ月たてば元に戻る。

注意点:
肝臓がからだに果たす役割の大きさから、切除してしまった後のからだへの負担が大きく、人によっては切除をすることが出来ません。

局所療法

手術に代わる治療方法のひとつで、腫瘍を取り去るのではなく、がん細胞を焼いたりすることで、物理的に排除します。

・ラジオ波焼灼法:
これは針のような電極を肝臓に刺し、針の先からラジオ波を出し、腫瘍細胞を直接焼いてしまう方法です。

・エタノール注入法:
ラジオ波焼灼法と同じく、小さな針を肝臓に刺し、針の先からアルコールを出すことで腫瘍細胞を殺してしまいます。

・マイクロ波凝固法:
ラジオ波焼灼法と似ていますが、ラジオ波の代わりにマイクロ波を使います。焼くというよりも、がん細胞に電子レンジを当てるイメージです。

良い点:
開腹せずに腫瘍部分だけを物理的に攻撃することが出来るのでからだへの負担が低い。
負担が低いことから、多くの人が治療の対象となる。
ある程度の期間を開ければ何度でも治療が出来る。

注意点:
肝臓に複数の腫瘍があるばあい、対応できないことがある。

化学療法

抗がん剤を使った治療法ですが、よくあるイメージの点滴治療とは異なり、がん細胞付近にピンポイントで抗がん剤を注入する方法が主流です。

・動脈化学塞栓術:
がん細胞に繋がる太い血管を通して、がん細胞に直接抗がん剤を注入した後、血管を塞いでしまいます。
肝臓がん細胞は、抗がん剤の攻撃だけでなく、血液が流れてこないために一切の栄養素や酸素が遮断されてしまい、細胞が死滅してしまうのです。

・動注化学療法 :
塞栓術と異なり、ピンポイントで抗がん剤を注入した後に血管を塞ぎません。

良い点:
抗がん剤をピンポイントで投入するため、関係のない場所に副作用が起こりにくいです。
切除が出来ないような方にも使え、局所療法と組み合わせることが出来ます。

注意点:
動脈を中心とした大きながんには有効ですが、小さながんには向きません。
塞栓術その他の負担に耐えられないような場合に、動注化学療法が採られる傾向にあります。

放射線治療

肝臓がんには放射線治療が使われることは多くありません。肝細胞が放射線に弱いのが理由です。
重粒子線や陽子線と言った、超ピンポイントで行える放射線治療が開発されたことから、治療例が増えてきましたが、機械が特殊なこともあり、一般的な治療ではありません。

肝移植

肝臓をのものを移植することで、肝臓がんを治療する方法です。

・生体肝移植:
生きた人から肝臓の一部をもらって移植します。倫理的な観点から、6親等以内の親族からしか貰うことが出来ません。

・脳死肝移植:
脳死した人から肝臓の全部または一部を貰って移植します。ドナー提供者の有無や適合の有無などをクリアする必要があります。

良い点:
治療方法が行き詰まった様な場合に対応可能な方法です。移植された肝臓は健康なものですから、肝硬変などによる心配もありません。

注意点:
何と言っても、移植できる肝臓が手配可能かどうかが重要です。

以上、肝臓がんにおいて日本で行える治療をご報告させていただきましたが、最初にお伝えしたように、術後の生活が非常に大事な病気です。
日常生活も治療の一部だと考えて参考になさって下さい。


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