からだのしびれの原因と対策

しびれという言葉をインターネットで調べたり、TV番組などで見たりすると、命にかかわるような話がよく聞かれます。
かと思えば、正座のしすぎだったり、同じ姿勢を続けすぎたり、からだを締め付けすぎたりと、しびれそのものは大して珍しくないものだったりします。
中には、病気の治療に使っている薬、例えば抗がん剤の副作用で起こる場合もあります。

そんな、しびれの種類と対処法について解説します。

命に関わるしびれとその原因

命に関わるしびれというのは、大きく二つに別れます。
一つは、脳に関係しているしびれと、もう一つは心臓に関係しているしびれです。

脳卒中を始めとした脳血管障害が原因で起こるしびれ

脳血管障害でしびれが起こる原因は、「脳に必要な血液が送られていない」と言うものです。
動脈硬化などで血管が細くなっていると、血液が流れにくくなります。

原因を本人で判断できれば良いのですが、なかなか困難です。
同じ姿勢を取り続けた、服で締め付けている、と言うような思い当たる事が無いのにしびれが出た時は念のために病院に行く方が安心かと思います。

めまい、ふらつき、顔のしびれ、ろれつが回らないなどの症状が併せて出るようであれば、なおのこと病院へ行くことをお勧めします。

脳卒中や脳梗塞が起こる時は、一瞬です。
自分で救急車を呼んだり出来る状態ではありません。
様子を見て大事になりそうだったら病院に行くという選択肢が全く通用しないのです。

心臓病が原因で起こるしびれ

左手がしびれたり痛んだりするときの原因かもしれないのが心臓病です。
正確には、心筋梗塞や狭心症と呼ばれる病気です。
これもやはり、血液の流れが妨げられて起こる病気です。虚血性心疾患と言う呼び方をすることもあります。
心臓の筋肉に流れる血液が足りなくなっているという意味です。

同じ姿勢を取り続けた、服で締め付けている、と言うような思い当たる事が無いのにしびれや痛みが出た時は念のために病院に行く方が安心かと思います。

脳と心臓に関連するしびれや痛みには、病院で検査する以外の対処方法がありません。
様子を見て、また起こったら病院に行こうと思った時には遅すぎたと言う事例は珍しい話でも何でもありません。

統計的には、60歳以降の方に起こりやすい病気ですので、60歳以降の方はご注意下さい。

しびれのメカニズム

血流不足でのしびれ

脳卒中や心筋梗塞以外での血流不足によるしびれというのは、単純に神経細胞が活動するのに必要な血流が確保出来ていないこともありますが、面白いのは最後の引き金を引くのが、血液だと言う点です。

京都大学薬学部の研究発表*によると、
1.血流不足で皮ふ近くにあるTRPA1というタンパク質が低酸素状態になり活動を低下させる。
2.活動が低下するだけでなく、刺激には反応しやすくなる。
3.血流不足が解消され、低酸素状態では無くなりTRPA1の周囲に活性酸素が発生する。
4.敏感になったTRPA1が活性酸素に大いに刺激されて、しびれと痛みが発生する。

このメカニズムは、糖尿病や抗がん剤の副作用にも関連しているのではないかということで研究が続けられています。

神経を圧迫することで起こるしびれ

この中には、からだを締め付けたり、同じ姿勢を続けたりと言う、日常的なしびれも含まれますが、ヘルニアをはじめ骨や軟骨が通常より飛び出していたり、骨が歪んでいたりと言う事も考えられます。

この場合には、手術など、原因を取り除かなければ良くなりません。

神経が壊れて起こるしびれ

どんなしびれにも言えることですが、しびれには神経が関わっています。
血液は足りているのにしびれる場合には、神経が壊れているという事が考えられます。

例えば、糖尿病や抗がん剤の副作用で引き起こされるしびれは、からだの抹消にある神経細胞が、障害を起こすことで発生します。

問題は、一定以上壊れてしまった神経細胞を、正常に戻す方法が判っていないということです。
この危険を回避するためには、神経細胞が壊れないように過ごす必要があります。

抗がん剤の副作用からくるしびれ

この場合に出来る最も確実な方法は、原因となっている薬をストップすることです。
・中止
・中断
・減量
・薬の変更
少なくとも、上記4つの選択肢がありますが、どの選択肢が良いのかはお医者様と相談して決める必要があります。
最も確実なのが「中止」なのですが、病気の治療としびれの程度を比較して、患者様にあった方法を選ぶ必要があります。

次に考えられるのが、以前お伝えしたことがある、フローズンキャップやフローズングローブ、フローズンソックスです。
抗がん剤の副作用であるしびれは、末梢に(手先や足先などの末端)現れる傾向があります。
冷やすことで、抹消に薬が行き渡ることを防ぎ、しびれを予防します。

どれも、お医者様と相談して選ぶ必要があるものですが、効果は明らかです。

日常的なケアとしては
・ソフトなマッサージ
・ビタミンB群(特にB6やB12)の補給
が考えられます。

糖尿病におけるしびれ

この場合、何よりも重視すべきは「血糖値のコントロール」です。
これが出来なければ、どんなケアをしても無駄に終わってしまいます。

血液中のブドウ糖は、タンパク質と結合しやすく、結合時にはエネルギーを放出します。
言い換えると、目に見えない小さな爆弾が、色々なところで爆発しているということです。
糖尿病ということは、健康な方よりも多くの爆弾が爆発し続けていますので、からだの修理が間に合わない。そんなイメージです。

また抗がん剤の副作用からくるしびれに記載した日常ケア(マッサージやビタミンB)は、症状を楽にしてくれる可能性があります。

ソフトなマッサージ

マッサージがなぜ効果的なのかはハッキリしていませんが、しびれが軽くなる方がお出でになります。
優しく、という点に気をつけて下さい。
ギュウギュウと押し付けるようなマッサージは、神経を不必要に刺激しますし、先に挙げた京都大学の研究結果を考えても、断続的にTRPA1を通して神経に刺激が繰り返される状態は好ましくないでしょう。

もしも効かなくても、全くと言っていいほど費用負担も身体的負担もありませんので、気楽に試されると良いかと思います。

ビタミンB群(特にB12)の補給

ビタミンB群は、神経の健康に関連しているビタミンです。
特に、B12は神経と大きな関連があります。

これは間違いないのですが、壊れた神経を修復してくれるかどうかは、正直なところわかっていません。

・不足した時に神経障害が起こること
・神経を保護している薄い被膜(神経鞘:しんけいしょう)の材料である
・アミノ酸や脂質の代謝を助ける(体内の細胞を構成する材料を作り出す手助けをする)

これらの働きは、間違いなく確認されています。
少なくとも厚生労働省のページ**には記載が見られます。

ビタミンB12は、摂取制限のない**ビタミンですので、ダメで元々のつもりで多めに摂られてはいかがでしょうか。

ビタミンB12を多く含む食べ物(ug/100g中)
・しじみ  62.4
・イクラ  47.3
・はまぐり 28.4
・牡蠣   28.1
・サンマ  17.7
・めざし  14.6
・焼き海苔 57.6
どれも100gですので、焼き海苔は少々効率が悪いです。

今回はからだのしびれについてご説明させていただきました。
しびれに関連する病気は、他にも多数ありますが、流石に多すぎて一つづつ記載することは出来ません。
このことから、有名なものだけをご報告させていただきました。

参考文献

*「しびれ」による痛みのメカニズムを解明 -糖尿病や血流障害によるしびれ治療薬の開発に期待-(京都大学)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/160317_1.html
**健康食品の安全性・有効性情報よりビタミンB12解説(厚生労働省)
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail177.html


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