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粒子線治療が保険診療で受けられるようになります

粒子線治療というのは、重粒子線または陽子線を使った放射線治療のことです。
ご存じない方に簡単に説明すると、
目に見えない小さな「粒子」を加速させ、超高速で患部に当てる治療方法です。

通常の放射線(X線)と異なり、患部以外の場所への放射線の影響を最小限に留めた上で、治療効果が高いという非常に好ましい特徴を持っている治療です。

そんなに良い治療が、なぜあまり使われていないかというと

まず、粒子線治療の設備が、全国に17ヶ所しかないということが挙げられます。
都道府県で言うと、北海道、群馬、茨城、千葉、神奈川、長野、静岡、愛知、福井、兵庫、岡山、佐賀、鹿児島にあります。
今年の10月から、奈良県にも開設されますので18ヶ所ということとなります。*

もう一つは、これまで健康保険の適用がされておらず、先進医療として自費で受ける必要がありました。
自費でかかる費用は、およそ315万円前後で、自宅から施設に通えない場合には宿泊費も必要となります。

最後は、限られた施設を有効に使うため、また先進医療の研究として、治療を行うことが出来る病気や病状が限られているという理由です。

来年度(2018年4月)から**、限られた病気ではこの3つの条件のうち、健康保険の適用が受けられるのです。
それが、「前立腺がん」「頭頸部がん」です。
頭頸部がんと言うのは、首から上のがんで、脳腫瘍を除くものを言います。

保険診療が適用されることで、高額療養費制度も利用できますので、収入によっては治療費の総額が10万円以下で済むこととなります。

前立腺がんや、頭頸部がんを患っておられる方には、朗報ではないでしょうか。

参考および注記

*粒子線治療医療機関リスト(公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団のページです)
http://www.antm.or.jp/05_treatment/04.html

**平成28年には小児がんの陽子線治療と手術が難しい骨や筋肉のがんの重粒子線治療が保険適用になっていましたが、稀な病気であるため、知らない方の方が多いかとおもいます。