代替療法(統合医療)と健康食品・サプリメントその2
必要な治療を受けない人が出てくる
これは、代替療法や健康食品・サプリメントの話をするときに、よく聞かれる批判のひとつです。
しかし、本当に代替療法(統合医療)が理由なのでしょうか?
私は、大半は全く的外れだと思います。
なぜでしょうか?
必要な治療を受けないのは、本当に代替療法(統合医療)のせいなのか
まず最初に言えることは、多くの場合「代替療法(統合医療)」と病院での治療は併用が可能だということです。
手術や放射線治療であれば、まず間違いなく影響は無いでしょう。
治療の前に、食事制限をすることはありますが、あれは「固形物が体内にいっぱいある」ことを嫌っているだけで、何か特定の成分を嫌っているわけではありません。
世間一般で、合法的に流通している食材であれば、問題はありません。
抗がん剤治療においても、禁忌についてはインタビューフォームなどで詳しく述べられています。
禁忌があれば避ければよいだけです。
医師が聞いたことのないものを飲んでいるというのであれば、単純に聞いたり調べたりすればいいだけです。
一般的に流通している健康食品やサプリメントの成分は「過去に多くの者が食べてきたことがある。」いわゆる食経験が重視されます。
見たことも、聞いたこともない食材から抽出された新成分というものは殆どありません。
加えて言えば、抗がん剤の投与は医師の監督下で行われます。
もしも投与中に異変が起きたら、処置をすれば良いわけです。
異変など起きないほうが良いに決まっていますが、異変を0にすることは出来ません。
心配な場合は
食べたり飲んだりしている成分によっては、投与中の薬が効かなかったり、思わぬ相互作用が出ることがあります。
と、予め注意喚起をしていれば良いのです。
ここで、医療機関が「そんなものは認めない!」と言う態度に出てしまえば、どうなるでしょう?
問題の大半は存在しない
1.こっそり利用する。
これが大半の方が選択する方法です。
最初に完全に拒否したお陰で、医師はこれから得られる可能性がある知見を完全に放棄したことになります。
ただし、医療機関を受診しているわけですから、必要な治療は受けておられます。
2.治療をやめて代替療法(統合医療)に走る。
最も心配されるだろうこのパターンですが、数百人以上もの方々とお話をしてきましたが、非常に稀なケースです。
そもそも、病院での治療をせずに代替療法(統合医療)に走る方は、最初から意思が固まっています。
私がお話をしたケースでは、ほんの数例ありましたが、病院での治療や検査をオススメしても聞いては頂けませんでした。
このように、そもそもその様な問題は、稀にしか存在しない。という事になります。
なぜ必要な治療を受けないのか?
先程も述べたように、大半の患者様は医療機関で治療を行われるのですが、稀にそうではない方がお出でになります。
ではなぜ、その様な事になってしまうのでしょうか?
これは、代替医療そのものの問題と言うよりも、現在の医療を含めた社会としての問題です。
言い方を変えれば、患者さんの目的と、知識や情報がズレてしまったことによる問題です。
代替療法があるから必要な治療を受けない人が出るのではなく、医師による提案や提供される情報が、患者さんの「目的」と一致しない、または「納得」出来ないから、治療を受けない人が出てくるのです。
これは、否定しようもない事実です。というよりも、これ以外の理由があるのならば教えて欲しいと思います。
身も蓋もない話をすれば「必要な治療」と言うのは、患者さん主体の話であって、外野が必要だとか不要だとか言えるはずもないのです。
医療を受けようとする患者さんには、必ず目的があります。
この患者さんの「目的」と医師の「目的」にズレがあったり、「西洋医学に出来ること」と「出来ないこと」に関する認識にズレがあったりするわけです。
極端な言い方をすれば「完治する」という目的であれば、「完治の可能性がない治療」は全て不要な治療です。
完治しないのであれば、次は出来るだけ長く生きたいと思うのが「人」でしょうが、そこには、出来れば穏やかに、健康的にと言う想いが含まれている方がほとんどでしょう。
このあたりの部分を、医師をはじめとした医療関係者と患者さんの間で納得が生まれていれば、必要な治療を受けないということは、先ずあり得ないと思うのです。
納得とは、全部知ったうえで治療を受けない選択も含めてのことです。
あるとすれば、患者さんが調べたり、たまたま誰かから聞いたりした情報を、眉唾なものだと「頭ごなしに否定する」ならば、これも理由になり得るでしょう。
患者さんが「自身の知る情報」と「現実に出来るであろうこと」を擦りあわせていくチャンスを失ってしまうわけです。
自分の命を目の前にぶら下げて、自分なりに必死に模索したわけですから、それなりに納得したいのです。
そこを大事にすれば、この様な問題は随分と減るに違いありません。