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知っていそうで知らないビタミンD(ビタミンDの6つのはたらき)

ビタミンとは

ビタミンという言葉は、誰もが一度は聞いたことがあることでしょう。学術的には下のように定義されています。

生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称である(なお栄養素のうち無機物はミネラルである)。Wikipediaより

生物によって、必要な栄養素は異なるため、人間にとってのビタミンがある生物にとってはビタミンではないと言うことも当然ありえます。

人間にとってのビタミンは、A,B,C,D,E,Kの6つに分類され、ビタミンBはB群と言う呼び方もあるように、1,2,3,5,6,7,9,12の8種に分けることが出来ます。
人間にとっては全部で13種類のビタミンがあることになります。

このビタミンですが、「生存に必要な栄養素」と言うくらいですから、基本的には自ら作り出すことは出来ません
今回の話題であるビタミンDは、体内で合成することが出来る例外と考えてもいいでしょう。

また、ビタミンの分類は、「機能性・はたらき」を念頭に置いて付けられています。
ですから、一口にビタミンAと言っても複数の種類があり、レチノールやレチナールと呼ばれる物質のことを言います。

なんだか混乱しそうな話ではありますが、人間を始めとした生命は、冗長性とよばれる仕組みが用意されています。
簡単に言うと、いい加減だったり無駄だったりする仕組みがあらゆるところに準備されていると言う意味です。
換えの効かない、融通の効かない仕組みでは何かあるとすぐに死んでしまいます。

足りないなら足りないなりに何とかするのが生命が生命たるゆえんでしょう。

話は少々それましたが、ビタミンというのはこういうものだと何となく知っていただければ良いかと思います。

カルシウムとセットで活躍するビタミンD

ビタミンDのはたらきは、多岐にわたりホルモンに分類されることもあるくらいですが、最も重要なはたらきは「体内でのカルシウムの吸収や放出」にあるといえるでしょう。

カルシウムの吸収を手助けする

人間は、様々な食物からカルシウムを取り込むことが出来ますが、その吸収は「小腸」で行われています。ビタミンDは、この小腸からのカルシウム吸収を手助けします。

骨からカルシウムを放出させる

カルシウムは、単に骨の形成にとどまらず、人間のからだがバランスを取るために使われています。
そのため、必ず一定以上のカルシウムが血液中に放出される必要がありますが、ビタミンDは骨から血液中にカルシウムを放出させるはたらきがあります。

無駄に尿中に排泄させない

腎臓においては、カルシウムが必要以上に濾過して捨てられないように働きます。

どの働きも、体内のカルシウム量を増やす方向に持ってゆくためのものだといえるでしょう。

ビタミンDの種類と活性型ビタミンD

人間にとってビタミンDは、複数の経路から入手することが可能です。
ひとつは、食べ物から取り込むパターン、もうひとつは皮膚で作り出すパターンの二つです。
食事で吸収されるビタミンDは植物由来のビタミンD2、動物由来のビタミンD3にわけられます。
また、皮膚で作り出されるビタミンDも動物由来のものと同じくビタミンD3となります。

皮膚で作りだされても、食べ物から吸収しても、これら二つの経路を通して手に入れたビタミンDは、肝臓で代謝された後腎臓に送られます。

腎臓では、このビタミンDを活性化して、体内で利用しやすい形に作り変えます。
これを、活性型ビタミンDと言います。
ここで初めて、先程記載した3つの働きを得ることが出来るというわけです。

ホルモンとしてのビタミンD

ビタミンDは、ホルモンと呼ばれるほどの多様な働きを担っているとお伝えしましたが、どのような働きがあるのでしょうか。

がん細胞の増殖抑制と巻き戻し

がん細胞というのは、遺伝子にエラーを持った細胞です。
医学的には、悪性度が低いものを「分化型」と言い、健康な細胞に見た目が似ているものを指します。
悪性度が高まるに連れて、形が崩れて「未分化型」と呼ばれるものへと変わっていく傾向があります。

ビタミンDは、がん細胞の増殖を抑制するだけでなく、健康な細胞へと戻す働きを持っていることが知られています。

副甲状腺ホルモンの産生および分泌抑制

副甲状腺ホルモンというのは、体内のカルシウム濃度をコントロールするホルモンです。
カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンのちからが高まり、骨からのカルシウム放出を増やすこととなります。

一見すると、先に書いた働きと重複するようですが、先程の例は活性化されたビタミンDが直接働いているという点で異なります。

免疫力を高める

人間の細胞には、ビタミンD受容体をもつものが数多くあります。
免疫細胞もそのひとつです。ビタミンDは細胞の中に入り込みその受容体と結合することで、抗菌作用のあるタンパク質を作りだすことが出来ます。

ビタミンDを多く含む食べ物

このように、様々なはたらきを持つビタミンDですが、日光浴は当然として、食事によって摂取するにはどのような食べ物が向いているのでしょうか。

一番良いのは、魚を食べることです。
サバ、サンマ、カツオ、シャケ、マグロなどなど、一般に流通している魚には多く含まれる傾向にあります。
およそ100gを目安に食べると良いかと思います。
特に多く含むと言われるあんこうの肝などは、10gも食べれば十分です。

肉には、大して含まれていませんのでビタミンDを考えると役に立ちません。

植物では、きのこ類に多く含まれていますが、魚に比べると量が少ない傾向にあります。
魚が100gで十分なのに対して、きのこ類の場合は200gからそれ以上の量を必要とします。

まあ、きのこだけ食べるとか、魚だけ食べると言ったことをする必要はありません。
普段から、魚やきのこをよく食べる生活をすれば足りないということは無いでしょう。

特に、家の中での生活が多い方は積極的に外出するなど、日光を浴びる習慣も併せてオススメします。

今回は、ビタミンDについて解説してみました。