肺がんとビタミン

ビタミンと言えば、「健康に良い」「からだに良い」そんなイメージが浸透しています。
ビタミンは、「体内で作られない、生存に必須の成分」を指しますから、あながち間違っているというわけではありません。

また、ビタミンは多量にとっても不要なものは排泄されるので、気にせず沢山摂取しても構わないと言う話もあります。
流石にこれは、間違っています。
ビタミンの摂取について、数多くの研究機関が目安を提示していますが、いくつものビタミン類について摂取上限が記載されています。

肺がんとビタミン

先日、ビタミンB6やB12を大量に摂取している男性は肺がんになりやすい傾向にある。
そんな論文が発表されたという記事がありました。

この研究発表は、Journal of Clinical Oncologyという学術誌に発表されたものです。
原題は「Long-Term, Supplemental, One-Carbon Metabolism-Related Vitamin B Use in Relation to Lung Cancer Risk in the Vitamins and Lifestyle (VITAL) Cohort.」*
日本語に訳すと「長期的かつ補助的に、1炭素代謝関連ビタミンBを使用することによる、肺がんリスク(ビタミンおよび生活習慣を対象としたコホート研究として)」と言ったところでしょうか。

男女77,118人を10年間にわたって追跡し、ビタミンB群の摂取と肺がんの関連性を調査したこの研究では、ビタミンB6、B12を多量に摂取する「男性」は肺がんを患うリスクが、30〜40%高かったのです。
また、喫煙者では更にリスクが高かったとあります。
一方、女性ではこの様な差異はみられませんでした。

ビタミンと肺がんの例では、他にもビタミンAの摂取が肺がんのリスクを高める可能性を示唆した研究結果があります。
これは論文をお伝えするよりも、国立がん研究センターによる、がん情報サービス**を参考にしたほうが分かりやすいかと思います。
「がん予防のこれから」と題したページにビタミンAに関連する記述があります。

高用量のβ-カロテン(20〜30mg)を投与した喫煙者で、肺がんリスクが20〜30%高くなることが明らかになりました。
また、非喫煙者が中心のアメリカ人医師の研究の場合は、10年以上β-カロテンを服用し続けても、がん罹患に関して何の利益もなく、害もなかったという成績が得られています。
「がん予防のこれから」より抜粋

また、同ページでは、ビタミンについてもう少し踏み込んだ考察をしています。

がん予防に有効な成分があったとしても、その用量と効果の間には「多ければ多いほど効果的」、「一定量に達するまでは効果があがり、それ以上は変わらない」、「一定量を超えると効果が上がる」、「一定量に達するまでは効果があがり、それを超えると逆に下がる(リスクがあがる)」等の場合が想定されます。薬剤や食品成分の補給によるがん予防を考える場合には、そのうちどのパターンに当てはまるのかを見極め、一人一人で異なる適量を考える必要があるようです。
「がん予防のこれから」より抜粋

まとめ

ビタミン類は安全性が高いものばかりですので、摂取上限を超えてもいきなり病気になったりすることはありません。
しかし、ビタミン類の摂取が、先程の抜粋にある、どのパターンに含まれるのかは中々把握できるものではありません。

また、食事から摂取する場合ならともかく、サプリメントから摂取するばあいには食事から摂取するのとは桁違いの量を摂取することが出来ますので注意が必要です。

なかでも、油に溶けやすいビタミンは体内に蓄積される傾向がありますので、あまりにも多量のビタミンを継続的に摂取することはオススメできないと言えるでしょう。

参考文献

*Long-Term, Supplemental, One-Carbon Metabolism-Related Vitamin B Use in Relation to Lung Cancer Risk in the Vitamins and Lifestyle (VITAL) Cohort.
http://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2017.72.7735

** 「がん予防のこれから」(がん情報サービス)
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/prevention/prospect.html


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