キャベツは免疫力を高めてくれる?
キャベツは、日本人に親しまれている野菜のひとつですが、このごくありふれたキャベツに大きな力が秘められていることをご存じでしょうか?
アメリカの国立がん研究所では、キャベツのがん予防効果をニンニクに次いで2番目に位置づけている程です。
このキャベツには、免疫力を高める働きがあるといいます。
キャベツと免疫力
帝京大学薬学部の研究によると、キャベツを食べさせたマウスは血液中のTNF(腫瘍壊死因子)(*1)が大幅に増える事が確認されました。
このキャベツが持つ働きは、イソチオシアナートと呼ばれる香りの成分によるものだそうです。
このイソチオシアナートは熱に強いと言う特徴を持っていますので、炒め物や味噌汁の具などにしても壊れません。
また、こうすることでサラダより多くの量が食べられます。
キャベツを加熱して食べた方が良い理由にはもうひとつあります。
生のキャベツには、ホスホリパーゼDと言う成分が多く含まれて居るのですが、このホスホリパーゼDは、LPAと呼ばれる成分の材料となります。
このLPAは、がんの転移メカニズムに関わっていると言うことが解明されつつあります。(*2)
キャベツを加熱することで、このホスホリパーゼDを大幅に減らすことができるのです。
LPAやホスホリパーゼDには胃潰瘍を予防するなどの良い働きも報告されていますので一概にホスホリパーゼを悪者にすることも出来ないのですが、
キャベツなどのアブラナ科植物(*3)を食べられる際には、
・がんを考えた場合には「加熱して」
・胃潰瘍の予防や回復の補助などを考えられる場合には「生で」
と言うのが良い食べ方ではないでしょうか。
*1 TNFとは、ウィルスやがん細胞などを攻撃する力を持っている、白血球が分泌する成分のことです。
*2 2011年には、東京大学より論文が発表されています。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2011/02.html
*3 代表的な例として、キャベツ、大根、ブロッコリー、高菜、白菜などがあります。