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負担の少ない生体検査(リキッドバイオプシー)

以前、プレシジョンメディシンについての記事をお届けしたことがあります。
日本語では高精度医療と呼ばれ、主に、抗がん剤を始めとした化学療法の分野で研究されています。

わかりやすく言うならば「効く人に効く薬」を投与する仕組みを言います。
もちろん、今までだって効かない薬を投与してきたというわけではありませんが、同じ病気の人であっても薬が効く人と効かない人がいます。

今までは、「個人差がある」ということで括っていましたが、個人差を、遺伝子情報によって判断出来ることがわかってきました。

例えば、肺がんで有名な分子標的薬イレッサですが、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異がある患者には良く効くが、そうでない患者には効果が低い薬です。
これ以上の詳しい説明はいたしませんが、遺伝子の異常を見つけることで「効く人」を見つけているのです。

こういった検査を行うための手法のひとつが「リキッドバイオプシー」と呼ばれるものです。

リキッドバイオプシーとは

リキッド(液体の)とバイオプシー(生体検査)という単語をかけ合わせた言葉です。

どんな病気であっても、最終的に「確定診断」をして何の病気かはっきりさせることになります。
インフルエンザの「確定診断」であれば、痰(たん)を採取して検査をします。
インフルエンザウイルスが発見されるかどうかで診断が決まるわけです。

では、がんの「確定診断」とはどうやって行うのでしょうか?

腫瘍マーカー?
いいえ違います。

がん細胞を直接採取して、顕微鏡で見たり遺伝子検査をしたりして行うのです。
普通言われる生体検査というのは、この様に細胞を直接採取して行う検査を指します。

がんを診断できる腫瘍マーカーは現在のところ存在しません。
血液検査による腫瘍マーカーのチェックでは「状況証拠」にしかならないのです。
いまだ無罪(失礼)の可能性が高い状況だといえます。

ではどうやって、血液やその他の体液でがんを診断するのでしょうか?
それは、マイクロRNAと呼ばれる物質を検出することで行います。

マイクロRNAとは

マイクロRNAとは、DNAの一部だけを写し取って作られたタンパク質です。
人間の細胞は、様々な物質を生み出すことで細胞周囲の活動をコントロールしています。
そのうちのひとつが、マイクロRNAです。
がん細胞は、遺伝子に異常がある細胞ですから、複製されるマイクロRNAも他にはない特徴を持つことがあります。

これを検出することができれば、がんがあるかどうかを見分けることができるという訳です。

リキッドバイオプシーの現在

血液でがんの診断を行うというアイディアは以前からあり、ここ数年実際の医療への導入へ向けた歩みが進んでいました。
2017年8月からは、国立がん研究センターなど幾つかの医療機関で臨床研究が行われます。

国立がん研究センターや東レでは、保存していた血液を使い研究を行うことで良い結果を得ることができました。
しかし、保存した血液では思いもよらない劣化や変化がある可能性が否定できません。
そこで、およそ3000人の患者や健康な方から新鮮な血液を提供してもらい、最後の調整を行おうというものです。

実用化はおよそ3年後の2020年を目指しており、血液1滴で13種類のがんを診断することが出来るのだそうです。

予定されている13種のがんは以下のとおりです。
「胃がん」「大腸がん」「食道がん」「膵臓がん」「肝臓がん」「胆道がん」「肺がん」「乳がん」「卵巣がん」「前立腺がん」「膀胱がん」「軟骨部腫瘍」「神経膠腫」
これだけの種類がわかるのであれば、非常に有用ではないでしょうか。

マイクロRNAは人間が分泌する(排泄する)様々な液体に含まれますので、技術が進めば唾液で検査したり、尿で検査したりすることが出来る様になるかもしれません。

また、プレシジョンメディシンの記事にも書いたように、がん細胞の耐性による変化を追いかけることが出来る様になれば、効かなくなった薬をいち早く止めて、効き目の高い薬に変えることも出来る様になるでしょう。

たかが血液検査が、非常に心強いものに変わる時代はすぐそこに来ていると言えそうです。


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