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検査薬としてのフコイダン

健康に役立つフコイダンですが、サプリメントや食品として口にするだけでなく、ちょっと以外な使い方も模索されています。
そのひとつが、MRIの造影剤として血栓の撮影に使おうと言う研究です。1) 2)

どうしてこの様な使い方が研究されたのか、少しさかのぼってみることにしましょう。

血液の凝固とフコイダン

アメリカ国立医学図書館に登録されているフコイダンの論文で、最も古いもののひとつは、1957年に発表された「粗フコイジンからの抗凝固画分の単離」というものです。3)

血液の抗凝固作用を持つものとして最も有名なもののひとつにヘパリンがありますが、
フコイダンはヘパリンと同様、硫酸化多糖類というグループに分類されることから、抗凝固作用がある物質があるのではないか?そう考えたわけです。

現在でこそ90%を超える純度のフコイダンを作ることが出来ますが、当時はまだまだ技術が進んでおらず、抽出されたフコイダンには様々な成分が混ざっていました。
この中から、血液抗凝固作用を持つ成分だけを抽出することを研究したのがこの論文です。

この論文以降、フコイダンの抗凝固に関する研究が66本、抗血栓に関する論文は26本発表されています。

このように、古くは1950年台から2015年まで様々な研究者によって精査されてきた血栓を作りにくくする、血液を固まりにくくするというフコイダンのはたらきがどうして血栓の造影に繋がるのでしょうか?

フコイダンの抗凝固メカニズムと血栓

血栓というのは、血管の中で血液が固まってしまうことを言います。血液の固まりが血管を塞いでしまうと、脳梗塞や心筋梗塞といった大病を患うこととなってしまいます。

この血栓が出来る仕組みのひとつは、血管の内側表面や血小板*に糊のようなものが現れることにあります。
この糊がくっつき合い徐々に大きくなり、更には固まりとなって血栓となるのです。

この糊は、P-セレクチンと言う名前なのですけれど、血液がサラサラ流れていたり、血管の状態が良い場所には少なく、血管の中の調子が悪いところや、血栓が出来ているところに多く発生します。

ということは、P-セレクチンが集まっている場所を特定できれば、そこには高確率で「血栓」がある。
というわけです。

血栓造影剤としてのフコイダン

そこで登場するのがフコイダンです。
フコイダンは、P-セレクチンと結合しやすいという特徴を持っています。フコイダンがP-セレクチンに結合することで、糊としての機能を低下させ「血栓ができにくく」なるのですが、このフコイダンに目印となるものをくっつけてやれば、MRIに写りやすくなるのでは無いかと考えたわけです。

果たしてこの論文では、フコイダンに磁気を帯びた非常に小さな鉄をくっつけてやることで実現することができたと書かれています。

この様に、フコイダンを使うことで、安全で効果の高い造影剤が作れるという訳です。

1) Isolation of anticoagulant fractions from crude fucoidin.
SPRINGER GF, WURZEL HA, MCNEAL GM Jr, ANSELL NJ, DOUGHTY MF.
Proc Soc Exp Biol Med. 1957 Feb;94(2):404-9. No abstract available.

2) Targeting P-selectin by gallium-68-labeled fucoidan positron emission tomography for noninvasive characterization of vulnerable plaques: correlation with in vivo 17.6T MRI.
Li X, Bauer W, Israel I, Kreissl MC, Weirather J, Richter D, Bauer E, Herold V, Jakob P, Buck A, Frantz S, Samnick S.
Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2014 Aug;34(8):1661-7. doi: 10.1161/ATVBAHA.114.303485.

3) Ultrasmall superparamagnetic iron oxide nanoparticles coated with fucoidan for molecular MRI of intraluminal thrombus.
Suzuki M, Bachelet-Violette L, Rouzet F, Beilvert A, Autret G, Maire M, Menager C, Louedec L, Choqueux C, Saboural P, Haddad O, Chauvierre C, Chaubet F, Michel JB, Serfaty JM, Letourneur D.
Nanomedicine (Lond). 2015 Jan;10(1):73-87. doi: 10.2217/nnm.14.51.