適度な量でも飲酒は危険?

2107年6月7日付けのAFPニュース(http://www.afpbb.com/articles/-/3131147)によると、現在適度だと言われている飲酒であっても、脳に悪影響を及ぼすのではないか?とする研究が発表されたことを報じました。

元となった発表は、イギリスの医学専門誌BMJに行われたもので、Moderate alcohol consumption as risk factor for adverse brain outcomes and cognitive decline: longitudinal cohort study(脳への悪影響と認知症のリスクとしての適度なアルコール消費:縦断コホート研究)*というものです。

アルコールの摂取については、WHOを始めとした世界中の研究機関が様々な発表を行っています。

アルコールの過剰な摂取が危険視される中、アルコールは人々の生活とは切っても切り離せないことから、適度な飲酒量についても発表されています。

そこには、週に14杯~21杯程度(一日2~3杯)**が適度な飲酒だと書かれています。

アルコール度数によって1杯の量は変わりますが、ビール500ml、ワインだと大きなグラス1杯、キツイお酒だとショットグラスに1杯という感じです。

これまでは、この量であれば問題ないだろうと考えられていたのです。

適度な飲酒習慣がある人々を追跡調査

コホート研究というのは、研究と聞いて誰もが思い浮かべる動物やビーカーを使ったものではありません。

この調査では、イギリスに拠点を置くWhitehall IIコホートと呼ばれるコミュニティに属する、平均年齢43歳の男女550名を30年間追跡調査したものとなります。

この様な研究は、日本でも行われており、著名なものでは福岡県の久山町に住んでいる住人を対象として行われているものはHisayama Studyとして知られています。

さて、実際にどのようにして研究が行われたかというと、30年間定期的にコミュニティの住人に「飲酒量」についてのアンケート調査を行うとともに、認知能力についてのテストを行いました。

状況によっては、MRIでの画像検査も行われましたが、追跡期間の最後には、全員に対してMRIによって脳の検査が行われました。

飲酒量が増えるほど、脳には悪影響がある

これらの研究の結果、お酒を飲めば飲むほど、「海馬」と呼ばれる脳の認知を司る部分が縮んでいくと言うのです。

週に30杯以上飲む人は、お酒を飲まない人に比べて最も脳へのリスクが高いことが示されました。

しかし、今まで適量だとされていた、週14杯~21杯の飲酒においても海馬が縮むなどのリスクがあると言う結果が見られたのです。

とは言え適量を飲んだ場合には、認知能力的にはほとんど問題はなく、言葉の流暢さが低くなった程度で、生活に大きな支障が出ると言うような結果は見られませんでした。

今までのアルコール摂取に関連する研究の多くは、過度な摂取に焦点を当てており、適度な飲酒による悪影響についての調査は僅かしか無く、MRI画像という形で確認されたという意味においても貴重な研究と言えます。

一方で、調査の全体人数が550人と少ないものであることなどから、今後ももっと詳しい研究が必要だと考えられている様です。

アルコールを摂取すればするほど、認知を司る「海馬」が縮むというのは非常に恐ろしい話です。

沢山アルコールを飲んでいる方は、せめて適量の週14~21杯になさってはいかがでしょうか。

*Moderate alcohol consumption as risk factor for adverse brain outcomes and cognitive decline: longitudinal cohort study
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j2353 (Published 06 June 2017)
Cite this as: BMJ 2017;357:j2353
http://www.bmj.com/content/357/bmj.j2353

**正確には、お酒に含まれる純粋なアルコール8gを1ユニット(1杯)と数えています。


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